研究課題/領域番号 |
17H02717
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川合 紀宗 広島大学, 教育学研究科, 教授 (20467757)
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研究分担者 |
小林 宏明 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 講師 (50276185)
宮本 昌子 筑波大学, 人間系, 准教授 (70412327)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 吃音 / 思春期 / 包括的評価 / 調査項目の選定 |
研究実績の概要 |
2017年8月に1回、2018年3月に1回の計2回、研究代表及び研究分担者が集まり、研究推進会議を行うことで、研究の全体的な流れや平成29年度の研究内容や作業についての確認を行うとともに、進捗状況の確認や次年度の作業に向けての準備事項の確認を行った。第1回は、研究の全般的な進め方や平成29年度に実施する内容の説明を行い、研究代表者と分担者間での研究の方針や内容を共通理解し、第2回は、研究の進捗状況を確認し合った。また、米国で開催予定の2017米国音声言語聴覚協会年次大会に参加し、吃音の評価法及び臨床法に関する最新情報の収集や、研究協力者とのミーティングにより、最新の知見を得るとともに情報交換や今後の研究の進め方についての打ち合わせを実施した。 日米双方の吃音実践の実態把握や内容の比較検討を行うとともに、吃音のある思春期の生徒に対する指導支援とその他の年齢層の子どもに対する指導支援の共通点及び相違点を明らかにすることを目的とし、吃音の問題を多面的・包括的に評価する尺度(CSP-SC、CT-SCWS、OASES、国際機能分類(ICF)に基づく学齢期吃音評価)等で設定されている評価項目について、文献考察や著者への聞き取り調査を通して分析し、日本独自の多面的・包括的吃音評価尺度を開発した。また、米国において吃音臨床を実施している言語療法士を尋ね、実践の参与観察やインタビュー調査を実施するとともに、従来から行われている吃音の指導支援法の内容についての文献考察を行い、次年度の調査研究に向けた準備を実施した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
一部国内の調査が予定通り進まなかったが、それ以外の部分においては、おおむね順調に進展、あるいは当初の計画以上に進展しているため。
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今後の研究の推進方策 |
ことばの教室等へ調査し、思春期の子供に対する吃音の臨床、指導支援の現状を把握する。本調査及び平成29年度の研究成果より、年齢に関わらず必要となる実践内容と思春期に特に必要となる実践内容を整理し、これらを組み合わせて指導支援法の試作版を開発する。 【方法】①試作版の開発に際しては、思春期の吃音者への指導支援に実績のあるLisa A. Scott氏からの助言を受ける。②平成29年度に開発した吃音の多面的・包括的評価法の評価項目とこの試作版の指導支援項目とが合致しているかをチェックし、合致していない指導支援項目があれば、その指導支援項目の効果測定を可能とする評価項目を設定する。また、ここで開発した支援法を基に、臨床を実施し、その効果を検証する。
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