研究課題/領域番号 |
17H02717
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
川合 紀宗 広島大学, 人間社会科学研究科(教), 教授 (20467757)
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研究分担者 |
原 由紀 北里大学, 医療衛生学部, 准教授 (50276185)
小林 宏明 金沢大学, 学校教育系, 教授 (50334024)
酒井 奈緒美 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 感覚機能系障害研究部, 研究室長 (60415362)
宮本 昌子 筑波大学, 人間系, 教授 (70412327)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 吃音 / 思春期 / 包括的評価 / 当事者の意識 / 支援内容 |
研究実績の概要 |
5月に1回、8月に1回、11月に1回の計3回、研究代表及び研究分担者がオンラインにて研究推進会議を行うことで、研究の全体的な流れや令和2年度の研究内容や作業についての確認を行うとともに、進捗状況の確認や次年度の作業に向けての準備事項の確認を行った。第1回は、研究の全般的な進め方や令和2年度に実施する内容の説明を行い、研究代表者と分担者間での研究の方針や内容を共通理解し、第2回は、令和2年度前半の研究の進捗状況を確認し合った。また、第3回は、これまでの研究成果の中間報告を実施するとともに、吃音の評価法及び臨床法に関する最新情報の収集や、米国の研究協力者とのオンラインミーティングを実施することで、思春期の子供や成人への吃音支援法に関する最新の知見を得るとともに、米国の研究者との情報交換や今後の研究の進め方についての打ち合わせを実施した。 これまで収集したデータを基に、日米双方の吃音実践の実態把握や内容の比較検討を行うとともに、令和元年度に引き続き、日米の吃音のある思春期の生徒や成人に対してインタビュー調査を行い、吃音に対する支援を受けた経験や支援内容、思春期における吃音に対する支援の必要性についての意見を聴取すると共に、吃音の問題を多面的・包括的に評価する尺度(OASES)を実施した。また、小学校ことばの教室担当者に対して実施した、卒業していく児童についての心配事や懸念についてのデータを分析した。さらに、これらのデータをもとに、思春期の生徒に対する支援プログラムの開発に着手した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
新型コロナウイルスの影響は大きく、データ収集に影響があったものの、必要なデータ収集を大方終え、文責の段階に入っている。また、吃音指導の専門性向上に向けた研修プログラムについても構築しつつあり、翌年度には完了の見込みであるため、この区分とした。
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今後の研究の推進方策 |
引き続き当事者へのインタビュー調査結果について質的分析を行うとともに、OASESのデータ分析を継続する。この結果及び平成29~令和元年度の研究成果より、年齢に関わらず必要となる実践内容と思春期に特に必要となる実践内容をさらに整理し、これらを組み合わせて指導支援プログラムの開発を完了する。 試作版の開発に際しては、ウエイン州立大学のDerek Daniel氏やジョージワシントン大学のShelley B. Brundage氏、南フロリダ大学のMartine Vanryckeghem氏の助言を受ける。具体的には、これまで本研究で開発した吃音の多面的・包括的評価法の評価項目とこの試作版の指導支援項目とが合致しているかをチェックし、合致していない指導支援項目があれば、その指導支援項目の効果測定を可能とする評価項目を設定する。また、支援プログラムの開発を完了させ、効果の検証も実施する。また、昨年度中止になった吃音の国際会議においても成果を発表する予定である。
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