研究課題/領域番号 |
17H02857
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研究機関 | 金沢大学 |
研究代表者 |
木村 正人 金沢大学, 数物科学系, 教授 (70263358)
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研究分担者 |
高石 武史 広島国際学院大学, 工学部, 教授 (00268666)
田中 良巳 横浜国立大学, 大学院環境情報研究院, 准教授 (10315830)
小俣 正朗 金沢大学, 数物科学系, 教授 (20214223)
伊藤 弘道 東京理科大学, 理学部第二部数学科, 講師 (30400790)
田上 大助 九州大学, マス・フォア・インダストリ研究所, 准教授 (40315122)
平野 史朗 立命館大学, 理工学部, 助教 (60726199)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 亀裂進展モデル / 剥離モデル / 粒子法 / ゲル破壊 / 断層破壊 |
研究実績の概要 |
本研究課題では、連続体力学における時間発展する不連続性(亀裂・界面)の総合的数理モデル理論の構築と応用展開を行う。今年度は3つのチームを作り、それぞれ主に以下の研究テーマについて研究を推進し、チーム間の相互連携および国際研究動向調査・成果発表を兼ねて、国際会議CoMFoS17(OIST, 2017.9.20-22)の開催に協力した。 (1)研究チーム1(木村・小俣・田上)接触と剥離現象の数理モデリングと解析:接触と剥離を伴う静弾性体および動弾性体方程式のフェーズフィールドモデルを考察し、解の弱定式化と有限要素解析を行った。また、SPH法などの粒子法の数学解析の試みとして、粒子法における近似作用素の打ち切り誤差評価で用いる離散化パラメーターの選択に関する十分条件を導出することで、Poisson方程式、熱方程式、および移流拡散方程式に対する一般化粒子法の誤差評価を導いた。 (2)研究チーム2(木村・高石・田中)ゲル破壊と亀裂進展シミュレーションの解析:ゲル破壊の数理モデルとして、粘弾性体方程式の勾配構造の数学解析と粘弾性体における亀裂進展モデルの提案と数値シミュレーションを行い、粘弾性破壊におけるいくつかの特徴的な性質を調べた。 (3)研究チーム3(木村・伊藤・平野)摩擦項を含む不連続界面の解析と断層破壊への応用:地震時の断層破壊における系のエネルギーの自己相似性について、動的問題に対する積分方程式の観点から数学的に考察する試みを開始した。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
各チーム内における研究推進は初年度としては順調に進んでおり、次年度にはいくつかの論文として成果発表できると期待される。また、必要に応じて分担者間で研究打ち合わせが活発に行われており、チーム間における連携も研究代表者を中心に円滑に行われている。また、チーム間相互連携・国際研究動向調査・成果発表などを兼ねて開催に協力した国際会議CoMFoS17(OIST, 2017.9.20-22)も、多くの有益で活発な議論が行われ成功裏に終了した。
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今後の研究の推進方策 |
次年度には、今年度に得られた研究成果を論文発表することに注力するとともに、来年度以降の研究推進に必要な新たなアイデアなどを、研究分担者が連携して積極的に試すことで、さらなる研究計画の広がりと応用展開を目指すものとする。また、その一環として、平成30年6月に国際会議CoMFoS18を京都で開催し、特に地震学者との連携をさらに深める。全体の研究推進計画としては、研究成果を着実に挙げることを考え、研究代表者がチーム間のバランスをとりながら、当初の研究計画のうち有望なものについては特に研究を推し進める方策をとり、研究グループ全体でその方針を共有するものとする。
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