研究課題
基盤研究(B)
多環芳香族炭化水素 (PAH) は半導体や発光材料として有用な化合物であり、有機エレクトロニクス材料への応用が期待され近年盛んに研究されている。 本研究では、高い蛍光量子収率を有するピレンの特性を活かして、効率的な共役拡張を伴った大環状分子の開発などに挑戦した。環状3~8量体の単離に成功し、特性評価の結果、π共役拡張による吸収スペクトルの長波長シフトが確認できた。さらに、それぞれの環サイズに応じて独自の特性を明らかにした。
有機合成化学
比較的大きめの芳香族炭化水素から出発して三次元的なπ共役化合物を創成する方法論を確立することで、巨大な化合物を一挙に構築できる。デザイン性に優れるボトムアップ法により生み出された化合物群は、スマート社会に役立つ軽くて機能性に優れた電子回路材料の開発に貢献する。