研究課題/領域番号 |
17H03273
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
橋本 研也 千葉大学, 大学院工学研究院, 教授 (90134353)
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研究分担者 |
大森 達也 千葉大学, 大学院工学研究院, 准教授 (60302527)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 弾性表面波 / バルク弾性波 / 光プローブ / サニャック干渉計 / マイケルソン干渉計 / 絶対振幅測定 / 超音波顕微鏡 |
研究実績の概要 |
本研究では、現有の弾性振動観測装置にサニャック干渉計(SI)とマイケルソン干渉計(MI)を同軸で組み込み、同一地点の弾性振動を両干渉計で計測することにより、SI出力からの絶対振幅評価法の実現を目指した。 MIで問題となる低周波振動の対策として、固定鏡に付加されているピエゾステージを負帰還で制御することにより、光検出器からの出力が最大となる様に調整機能を与えている。これらを超小型の光学定盤上に微小光学部品を組み合わせてMIを構成し、現行の弾性振動観測装置に組み込んでいる。その時、ダイクロイックミラーにより、同一対物レンズによりCCDカメラにより試料表面を観察し、両干渉計におけるレーザ照射位置を光学的に確認している。また、MIには緑色レーザを光源として用い、SIには赤色レーザを用い、さらにダイクロイックミラーにより両レーザ光を分離・合波することを可能とし、これによりMIとSIによる同時観測を可能としている。実際に同時観測を行った結果、両観測結果の間に非常に強い相関が得られた。このため、狭い同一領域を両干渉計で観測する一方で、MIで絶対振幅を求めれば、SIの観測結果を校正することができ、絶対振幅の評価機能を実現することができた。 なお、測定系のダイナミックレンジを拡大するための新たな受信回路を提案している。 また、圧電薄膜を利用して、高周波超音波照射用トランスジューサを作成し、被測定試料に対して超音波を照射し、さらに上述の装置で弾性振動を観測することにより、高機能超音波顕微鏡としての動作を確認することも目指した。トランスジューサ用の圧電薄膜堆積を実現し、最適構造の実現を目指したが、コロナの影響により実験的検討が困難となっている。コロナが収束し次第、トランスジューサを実現し、超音波顕微鏡としての動作を確認したいと考えている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
コロナ禍のため、トランスジューサ関連の実験の実施が困難のため。
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今後の研究の推進方策 |
コロナ禍が収束し次第、トランスジューサを試作し、超音波顕微鏡としての動作を確認したいと考えている。
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