研究課題/領域番号 |
17H03403
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
複合材料・表界面工学
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研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
林 幸壱朗 九州大学, 歯学研究院, 准教授 (80580886)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ナノ粒子 / ハイブリッド / ナノ医療 / 多機能性 / DDS / 刺激応答性 / ドラッグデリバリー |
研究成果の概要 |
現在の肝硬変治療法のオプションは限られており、肝移植がエンドステージの唯一の効果的な治療法であることもある。この問題を解決するために、本研究では、ナノ粒子を用いた新規治療法の開発を試みた。シルビニンを含有する多機能性有機-無機ハイブリッド中空ナノ粒子を合成した。このナノ粒子は細胞内グルタチオンに応答し変形した。この変形により、シリビニンがナノ粒子が放出された。さらに、このナノ粒子は活性酸素を除去する能力を有していた。表面修飾により、このナノ粒子は肝星細胞とクッパー細胞をターゲティングした。シリビニン放出能と活性酸素除去能により、肝組織が修復され、肝機能が回復した。
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自由記述の分野 |
生体材料
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
肝硬変は、慢性肝炎やアルコールの過剰摂取、肥満による脂肪肝などにより肝臓が線維化し、本来の機能を果たせなくなった状態である。現在の肝硬変の治療は、食事療法、運動、肝移植であり、肝臓の線維化を引き起こす原因に対して治療を施す療法はなく、線維化した肝臓を正常状態に戻すことはできない(日本消化器学会)。厚労省の発表では、肝硬変の患者は全国で50万人にのぼり、5年生存率は僅か40%である。このような背景から、早期の治療法の開発が求められている。本研究では、ナノ粒子を静脈内注射により投与することで、マウスの肝組織修復、肝機能回復を達成できており、これは新規治療法となる可能性がある。
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