研究成果の概要 |
酸化物を硫化物へ高速に、かつ安価に硫化する方法を開発した。炭素と硫黄ガスの組み合わせ、もしくは二硫化炭素液体からの気化ガス、を高温の酸化物に作用させ、各種の酸化物をいずれも硫化物に転換出来た。実験条件をさだめ、品質を向上させる策を講じた。さらに申請者が開発した酸化物の直接還元(OS法)にヒントを得て、硫化物を金属に還元する溶融塩電解還元を行い、金属粉末を得た。Ti, Ta, V, Pb, Biの硫化物の金属Caによる還元に成功した他、その還元反応を溶融塩中でも同様に生じさせることに成功した。
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
酸化物のみならず硫化物を溶融塩中で還元して金属粉末を得た。これはCaCl2もしくはLiClを主成分とする浴が強い還元性を持つことで統一的に説明できる。20年来の議論であったFFC法とOS法の二つの機構の論争に決着がつく結果である。 硫化物から還元することで不純物の少ない高純度金属が得られ、市販純度のTiが高効率で得られたほか、Ta, V, Pb, Biが製造できることが実証された。
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