研究課題/領域番号 |
17H03528
|
研究機関 | 北海道大学 |
研究代表者 |
松島 永佳 北海道大学, 工学研究院, 准教授 (30578026)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 水素同位体分離 / プローブ顕微鏡 / 水電解 / 燃料電池 |
研究実績の概要 |
重水素やトリチウムの水素同位体は、核融合炉燃料の原料や医療材料として重要である。さらに福島原発事故に関わる汚染水は、トリチウムの効果的な分離方法が見つからず、今でも汚染水処理の最大の懸案事項となっている。その解決に向け本研究では、再生可能型水素エネルギー社会をモデルにした、水電解と燃料電池を組み合わせた省エネ型水素同位体分離法を研究する。この研究では、燃料電池を使ったエネルギー有効活用技術を利用し、さらに水素同位体分離という別の応用面に着目することで、非常に独創性ある付加価値の高い工業プロセスに着目している。また最終的に汚染水処理に繋がることで、本研究は「自然再生可能型水素エネルギーシステムの確立」と「汚染水の浄化処理」の両面に役立ち、地球を汚さず、きれいにするWクリーンエネルギーシステムとして社会貢献が可能である。汚染水処理のような大規模なクリーンエネルギーシステムを世界に先駆けて運用することは、今後の燃料電池や水電解開発を中心とした、日本が世界をリードするエネルギー産業の育成に大きく寄与する。 そこで本研究では、燃料電池を使い電気エネルギー回収を図る省エネ型水素同位体分離法を検証する。また、併せてプローブ顕微鏡等の装置を使い、電極反応中の触媒劣化のオペランド観察や顕微鏡を応用した触媒開発も試みる。 本年度は、前年度に作成した電極を使い、水素同位体分離計測を行った。また、電極表面観察も引き続き行い、水電解反応中での気泡発生挙動の観察に着手することもでき、プローブ顕微鏡を使ってナノバブル形成の考察を行った。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
同位体分離測定やを行うことができ、研究は計画通り進捗している。
|
今後の研究の推進方策 |
燃料電池と水電解を使ったカスケードシステムにより、水素同位体分離を行う。
|