研究課題/領域番号 |
17H03717
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
進化生物学
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研究機関 | 基礎生物学研究所 |
研究代表者 |
重信 秀治 基礎生物学研究所, 新規モデル生物開発センター, 教授 (30399555)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 共生 / アブラムシ / ゲノム編集 / 抗菌ペプチド |
研究成果の概要 |
半翅目昆虫アブラムシとその細胞内共生細菌ブフネラはお互い相手なしでは生存が不可能なほど緊密な相互依存関係にあり、両者は生理的にも解剖構造的にもまるでひとつの生物のように統合化されている。本研究では、このアブラムシ-ブフネラの共生系をモデルに、共生系の統合的遺伝子ネットワークの制御機構と進化過程を解明することを目指した。その結果、アブラムシの共生器官で特異的に発現するBCRペプチドが、抗菌作用を有することを発見した。近年多様な共生系においても類似の例が報告されつつあり、共生進化の普遍原理の1つとして「共生的抗菌ペプチド」の概念を提唱した。また、アブラムシのゲノム編集技術の開発に成功した。
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自由記述の分野 |
ゲノム進化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
近年「共生」は地球生態系や生命進化、そしてヒトの健康にも重要な役割を果たす事が認識されてきました。しかし宿主と共生者の間でどのような分子を使いどのような相互作用を通して共生が営まれているかについては、ほとんどわかっていません。今回、私たちは昆虫アブラムシから発見したBCRというペプチド(短いタンパク質)が抗菌活性を持つことを発見しました。この分子を使って共生細菌を制御していると考えられます。類似の例が他の動植物の共生においても報告されていることから、共生が進化する際の一般原理として注目されます。また、今回の研究の過程でアブラムシをゲノム編集により遺伝子操作する技術を開発することもできました。
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