研究課題/領域番号 |
17H03878
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研究機関 | 愛媛大学 |
研究代表者 |
胡 柏 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (80248624)
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研究分担者 |
中安 章 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (20145064)
松岡 淳 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (90229435)
板橋 衛 愛媛大学, 農学研究科, 教授 (90289645)
山本 和博 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (70504124)
椿 真一 愛媛大学, 農学研究科, 准教授 (20404204)
間々田 理彦 愛媛大学, 農学研究科, 講師 (60624591)
尾島 一史 国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構, 西日本農業研究センター, 上級研究員 (00442814)
谷口 葉子 宮城大学, 食産業学群(部), 講師 (60507432)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 有機農業 / 環境保全型農業 / 持続可能性 / 有機農産物 / エコ農業 / 生産者組織 / 地域農業 |
研究実績の概要 |
研究実施の1年目(平成29年度)として、いくつかの重要な成果が得られた。第1に、高水準取組の事例収集・選別・テータ整備は計画以上の進捗があった。①環境保全型農業推進コンクール入賞者資料(900件以上)から有機栽培や無農薬栽培の取組、さらには一定規模以上の高水準有機農業の取組を抽出する作業を行った。②有機農業を含む環境に配慮した農産物に関する意識・意向調査のデータ(計2,572件)から有機農業の特徴を抽出し、取組の拡大可能性を農業者、流通加工業者、消費者の3つの側面から体系的に分析する準備作業を整えた。③事例調査やSNS等を駆使し、高水準有機農業の取組を広範に収集する作業を行った。②、③点目は計画以上の成果を得た。 第2に、経営実態の解明を目的とする実態調査を実施した。愛媛、福岡、群馬、秋田、北海道等で有機栽培の実態や関連するグローバルGAPの取組を農法、経営、流通、組織、農政の面から調査したほか、ベトナムで有機農業を展開する生産組織への調査を行った。また、アンケート調査内容設計のため、大規模有機栽培法人組織の生産・流通に関する予備調査を行った。 第3に、高水準取組へのアンケート調査設計を行い、予備調査によるアンケートの適性テストも併せて実施した。 第4に、有機農業に関する文献調査と統計把握、欧米における有機食品市場のデータ収集、論点整理を行い、相応の成果を得た。統計調査は、愛媛県や関係機関等の協力を得て効果的に行った。 以上の調査研究により、掲載決定済みを含む8本の学術論文、3編の図書を公刊するに至ったほか、海外での招待講演を含む8件の学会発表等を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
1年目に予定していた①文献調査・整理、②高水準取組の事例収集、選別・データ整備、③アンケート調査の準備等の研究事項は予定通りに進んでいるほか、以下の点で計画以上の進展があった。 1)データ整備は予想以上の成果を上げ、質の高いデータを入手することによって高水準の研究を可能にする条件を整えた。 2)高水準の取組事例を特徴的な家族経営、農企業経営、組織的・地域的取組に分けて分析し、その成果を関連集会や協会誌で公表した。研究成果の社会還元、地域還元に一定の効果を上げることができ、予想以上の成果である。 3)著書3編、掲載済み学術論文6本、掲載決定論文2本、投稿中論文1本の実績を上げ、海外を含む8つの講演・学会発表等を行った。
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今後の研究の推進方策 |
H29年度に続いて、①有機農業に関する文献調査と統計把握、②有機農業の事例収集・選別・テータ整備、③組織的・地域的取組の実態調査をさらに前進させるとともに、以下の作業を重点的に検討、推進する。 1)高水準有機農業の取組を作物類型別、農法別、経営規模別、組織形態別に類型化し、取組の経営実態、代替農法の構成と経営・環境効果、消費者獲得・販路形成、組織的・地域的取組に到達するまでのプロセス等の解明を行う。 2)上記作業で抽出した高水準有機農業の取組に対して、漸次、実態把握のためのアンケート調査を実施する。 3)有機農産物の市場拡大の可能性を農業者、流通加工業者、消費者の3つの側面から分析し、発表可能な成果の獲得を目指していく。データ解析も、漸次、実施する。 4)本研究の水準をさらに高める研究成果の獲得を目指して、有機農産物市場調査を米国やドイツで実施する可能性を検討する。現地条件が整い次第調査を実施し、国内調査研究結果との比較研究を行うことで高水準学術成果の獲得を目指していく。
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