研究課題/領域番号 |
17H04137
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
衛生学・公衆衛生学
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研究機関 | 和歌山県立医科大学 |
研究代表者 |
吉益 光一 和歌山県立医科大学, 医学部, 准教授 (40382337)
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研究分担者 |
津野 香奈美 神奈川県立保健福祉大学, ヘルスイノベーション研究科, 講師 (30713309)
竹村 重輝 和歌山県立医科大学, 医学部, 助教 (70511559)
龍田 希 東北大学, 医学系研究科, 講師 (40547709)
柳沼 梢 尚絅学院大学, 総合人間科学系, 講師 (70635440)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ADHD / 自閉症 / 知的能力 / 環境化学物質 / 経済的要因 / 保育士 / 発達性協調運動障害 |
研究成果の概要 |
3歳半の幼児と母親を対象に、児の注意欠如多動性障害(ADHD)および自閉症(保育士評価)と知的能力、さらに母親のADHD傾向を評価した。合わせて家庭の年収、母体中の栄養および金属類のデータを用いて、遺伝要因、自然環境要因、経済要因と、児の発達障害の関係性を共分散構造分析で検証した。さらに近隣地域の保育士の精神的ストレス調査を行い地域差を分析して、観測変数に追加した。結果として発達障害傾向と知的能力の間の強い負の相関を認めたほか、臍帯血総コレステロール量とADHDの正の相関を認めた。また、療育センター外来の調査で母親よりも保育士の方が、幼児の問題行動をより正確に評価していることが判明した。
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自由記述の分野 |
精神保健
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
今回の研究によって、遺伝要因や経済要因、環境化学物質と発達障害の間にはほとんど関連性は認めなかったが、臍帯血総コレステロール量と幼児のADHD傾向の間には有意な正の相関を認めた。脳の形成発達に必要なコレステロールが、ADHDのような未熟脳では、母体の臍帯静脈に依存している可能性が示唆され、ADHDの早期発見に繋がる知見と考えられた。 また、幼児の発達障害に影響を与える保育士の精神的ストレスに地域差がみられたことと、保育士の幼児の問題行動評価が母親よりも正確であったことは、幼児の発達障害の評価には保育士による評価が必須であるとともに、その保育士に対する精神的ケアが必要であることが示唆された。
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