研究課題/領域番号 |
17H04259
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
放射線科学
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
長縄 慎二 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (50242863)
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研究分担者 |
渡辺 宏久 藤田医科大学, 医学部, 教授 (10378177)
曽根 三千彦 名古屋大学, 医学系研究科, 教授 (30273238)
田岡 俊昭 名古屋大学, 医学系研究科, 特任教授 (30305734)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 血液迷路関門 / 血液脳脊髄液関門 / 血液脳関門 / 磁気共鳴画像 / ガドリニウム造影剤 / 内リンパ水腫 |
研究成果の概要 |
液体中の極微量のガドリニウム造影剤への感度を極限まで高めた新規磁気共鳴画像パルスシーケンスを開発しその臨床応用を進めた。内耳内リンパ水腫が疑われる症例において、ガドリニウム造影剤静注後、皮質静脈から脳脊髄液へのガドリニウム造影剤の漏れが頻回にみられること、そしてその漏れの程度は、年齢に相関することを見出した。初年度は37歳を境に、若年者ではまったく漏れが見られないと報告したが、症例を重ねるうちに例外もみられたので多数例を蓄積した時点で、ROC解析を行ってカットオフ値として37.3歳が適切であることを論文発表した。脳の加齢現象の客観的な評価につながる画期的な結果として注目されている。
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自由記述の分野 |
放射線医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
人類にとって大きな問題である認知症などの神経変性疾患の謎に脳と内耳の老廃物排泄機構の面から迫った。我々が開発した磁気共鳴画像パルスシーケンスを使用して、ガドリニウム造影剤が重大な疾患がなくても脳脊髄液へ少量漏出することが明らかとなり、それが37.3歳という年齢を境に急速に増加することがわかった。皮質静脈周囲の潜在的な軟膜に囲まれたスペースが排泄機構の一部であり、脳のリンパ管である髄膜リンパ管に連続していることを示唆する画像所見も発表できた。これらの結果から、長年ベールに包まれていた脳の老廃物排泄機構の一端を解明することができ、客観的なバイオマーカーとしても使用できる可能性を示せた。
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