研究課題/領域番号 |
17H04320
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研究種目 |
基盤研究(B)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
麻酔科学
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研究機関 | 東北大学 |
研究代表者 |
山内 正憲 東北大学, 医学系研究科, 教授 (00404723)
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研究分担者 |
杉野 繁一 東北大学, 大学病院, 講師 (00423765)
城戸 幹太 神奈川歯科大学, 歯学部, 診療科講師 (40343032)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
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キーワード | 神経障害性疼痛 / 長鎖非翻訳RNA / ゲノム網羅的関連解析 |
研究成果の概要 |
遷延性術後痛(PONV)は手術後に生じる不快な合併症の1つである.だがその分子遺伝学的機序は明らかになっていない.本研究はラット下肢の皮膚・筋肉に切開と牽引を用いて,ラットCPSPモデルを確立した後に,疼痛伝達経路である脊髄と後根神経節のゲノム網羅的な遺伝子発現変化を,とくに長鎖非翻訳RNA(LincRNA)に着目して,CPSPの分子遺伝学的機序を解明するものである.行動学的研究ではCPSPモデルで長期の疼痛関連行動変化を出現させることができた.トランスクリプトーム解析ではAABR07007055.1遺伝子と転写されるLincRNAとの関与が示唆された.
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自由記述の分野 |
麻酔科学・疼痛医学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
CPSPは術後の合併症の中でも10-20%の高い頻度で起こる不快な合併症の1つである.CPSPの臨床的危険因子は疫学研究ですでに明らかになっており,周術期管理に影響を与えているが,PONVを完全に予防することは困難で,患者の医療に対する満足度を下げてしまうことも多い.本研究ではAABR07007055.1をはじめとした複数の長鎖非翻訳RNAの関与を同定できた.この知見は近い将来,国際誌に原著論文として発表予定である.今後はこれらの長鎖非翻訳RNAの末梢神経や中枢神経での機能を解析して,新たな核酸医薬の周術期での使用を視野に入れて,さらに研究を推進したい.
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