研究課題
基盤研究(B)
咀嚼時に発現する舌後方部の挙上運動を定量的に分析するために構音時の筋活動を指標とする方法について検討した。舌圧との関係を評価するために構音時の舌圧データの日内変動を評価したが、すべての被験音,音量において日内変動は少なく,信頼性,再現性があることが示された。被験音/ko/では60-50dB間においては,声量が異なっても舌圧が等しければ筋活動量が近似した値をとる傾向が強いことが示された。これらの結果より,構音が筋活動の標準化の指標として採用できる可能性が示唆された。また、咀嚼時の舌後方部の挙上筋活動は、食材の物性によって影響を受けることが明らかになった。
歯科補綴学
舌後方部の挙上運動は、咀嚼運動や摂食嚥下運動に深く関与していると考えられる。その運動を定量的に評価することは、現在日本で問題となっている高齢化によるオーラルフレイルなどの評価や対策のために重要であると考えられる。この研究は、この舌後方部の挙上運動を定量評価するための基礎的情報を明らかにするものであり、今後のリハビリテーションやフレイル予防のために有用な成果となっている。