本年度の主な活動は、①調査で得たデータを将来公開するためのログインサイトの準備、②データポリシー策定、③新型コロナのため科研資金の繰越申請、④国際ワークショップの開催(3月)、であった。①(5月:オンライン会議)。②アッシュルバニパルの浮彫について、美術史・文献学的視角から分析した研究を国際アッシリア学会で発表した(7月:コレージュ・ド・フランス)。 ③英国調査準備として、1)オーストリア科学アカデミーにて開催予定の国際会議主宰者のゼルツ教授(ウィーン大学)から本研究の成果公表について要請され、内容について意見交換した(8月:ウィーン)。2)アシュモリアン美術館のコリンズ博士にこれまでの調査の現状について報告(9月:オックスフォード)。3)大英博物館で行う調査の調整をブレアトン博士と行い、X線分析装置使用に必要な安全情報を大英博物館科学部門に提出し、浮彫石板の超微化石の分析についてクイン博士(UCL)と打合せを行った(9月:ロンドン)。 ④第4回英国調査は、ニムルド出土の浮彫を中心に、大英博物館ギャラリーに展示される作品の調査を行った(2月:ロンドン)。中国・日本における新型コロナウィルス感染が注視される中で行った調査だったため、調査遂行に細心の注意を払う必要があったが、英国内で感染が拡大する前であったことから、奇跡的に調査を完了できた。 ⑤本研究で得られた生データをオンラインで公表するにあたり、倫理規定等の諸条件に合意した上でアクセスを許可するサイト作成のため、オーフス大学のデータベース専門家ハンドベルグ博士に相談し助言を得た(3月:オーフス)。研究活動をまとめ、ニュースレター第9号を発行した。
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