研究課題/領域番号 |
17H04520
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研究機関 | 明星大学 |
研究代表者 |
勝又 基 明星大学, 人文学部, 教授 (00409533)
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研究分担者 |
青山 英正 明星大学, 人文学部, 教授 (10513814)
佐々木 孝浩 慶應義塾大学, 斯道文庫(三田), 教授 (20225874)
佐藤 温 日本大学, 経済学部, 講師 (30609152)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2022-03-31
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キーワード | 日本近世文学 / 書物文化 / 写本 / 海外学術交流 |
研究実績の概要 |
米国UCバークレー校C.V.スター東アジア図書館を訪問して、旧三井文庫所蔵江戸時代写本の現地調査を2回行った。写本の特性を捉え、かつ海外でも有効に活用しうる目録作りを目指している。また現地ではクラウド環境を活用している。一つのエクセルファイルへ複数で同時に入力することで、作業効率を上げている。また、このプロジェクトでは、調査のためのデジタルカメラ撮影を許されている。そのために、重要な箇所や読解・入力に時間がかかる箇所は撮影して持ち帰る。代わりに現地では、現物を手に取らなければわからない事柄を重点的に調査している。具体的には、書写年時の判定や、点本、自筆本、転写本などの区別などである。 第1回調査は7月30日~8月3日の5日間、期間中に、No.1039~1450と、412点の調査を行った。第2回調査は2月4日~2月8日の5日間。期間中に、No.1451~1945と、495点の調査を行った。これで通算の調査点数も2000に迫り、科研以前の調査を含めて通算6度目の調査にして、全体の3分の2に到達した。当初の予定よりもきわめて早いペースで進捗している。これによって今年度中に全点調査が完了する目途がついた。 また9月6日にはUCバークレーで行われた米国日本文学会(AJLS)において、「Sparkling Manuscripts, Sparkling Evidence: The Role of Manuscripts in the Edo Period」のタイトルでパネルを主催した。勝又、佐々木が英語で口頭発表を行い、海外の日本文学研究者に対して、出版時代の写本文化の重要性を訴えた。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
1: 当初の計画以上に進展している
理由
申請時計画では、今年度は1700点まで調査する予定であったが、1945点まで達成することができた。これによって全点の調査も、4年目で完了する計画であったところ、3年目の今年度で終了できる目途がついた。そうなれば、5年計画のうちの2年を追跡調査に費やすことができ、研究のさらなる進展が期待できる。 また、計画どおり海外の学会でパネル発表も行い、たんなる調査にとどまらず、海外との研究交流も行っている。 総じて当初計画以上に進展していると言って良いであろう。
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今後の研究の推進方策 |
当面の達成すべき目標は、全点調査を31年度で終わらせることである。 くわえて32年度、33年度の調査に向けて、〈1〉データベースのありかたに関する協議、〈2〉写本文化に関する論集の計画、などを進める。
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