研究課題
基盤研究(B)
東南アジアにおいて日本の脅威となる豚の越境感染症の病理学的研究を実施した。豚熱(CSF),アフリカ豚熱(ASF),高病原性PRRSはリンパ節に出血がみられ,肉眼的,臨床的に類似点が多い。病理学的解析により,病変形成の過程や感染する細胞、ウイルス遺伝子検出との比較が明確に異なり病理発生の違いが明確となった。日本への新たな豚への越境感染症が発生した場合の病性鑑定に重要な知見となった。
獣医病理学
産業動物感染症の病理学的研究は、遺伝子解析の機器が発達している中で、診断、病態解析の技術の中で重要となっている。特に生体内でのウイルスなどの病原体の分布と生体反応は病理以外では研究できない。問題点は豚の重要疾病の病理学的研究は抗体の入手の困難さ、病理学者が少ないこと、発生地の東南アジアの病理学的標本作製の技術的問題と材料を採取する国際共同研究としてのカウンターパートとの協力関係など多かった。今回はこれをすべてクリアする状況ができ病理学的研究が可能となり、豚の越境感染症の病理学的研究の結果、流行地での豚の疾患、豚熱、アフリカ豚熱、高病原性PRRS等の詳細な病気の形成過程が明確となった。