研究課題/領域番号 |
17H04711
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
環境動態解析
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研究機関 | 国立研究開発法人国立環境研究所 |
研究代表者 |
五藤 大輔 国立研究開発法人国立環境研究所, 地域環境研究センター, 主任研究員 (80585068)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 大気汚染物質輸送モデル / 全球高分解能計算 / モデル開発と観測との検証 / 二次生成有機炭素エアロゾル / エアロゾル放射強制力 |
研究成果の概要 |
日本周辺の領域対象実験では、NICAM-Chemモデルが2つの静止衛星や地上観測で検出された越境汚染をうまく再現できた。続いて、全球14km高解像度実験を行い、発生源付近や北極輸送のエアロゾル再現性を検証した。以上を踏まえて、二次生成有機炭素エアロゾル(SOA)を計算する簡易モジュールをNICAM-Chemに導入した。その結果、人間活動由来SOAは放射強制力が-0.08 W m-2となり、最新のIPCCと整合的であった。中国では地表面エアロゾル濃度が増加し、モデルの過小評価が改善した。バイオマス燃焼起源SOAは-0.03 W m-2となり、考慮すべき成分であることが明らかとなった
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自由記述の分野 |
大気化学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
PM2.5(微小エアロゾル)は代表的な大気汚染物質であり、人体への健康影響もあることから、大陸からの越境汚染の我が国への流入量を見積もることは、環境だけでなく社会問題であるとともに、温暖化を抑制可能な冷却効果を持つ気候にも影響しうる重要物質である。本研究を通じたモデル検証やモデル高度化によって、予測にまだ改善の余地がある我が国の大気汚染物質予測モデルに、本研究で開発したNICAM-Chemが加わる可能性が高まったとともに、本研究で行った全球規模で高度化されたエアロゾル計算実績によって、今後益々高精度な気候影響評価に繋がる可能性が高まった。
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