研究課題
若手研究(A)
ベンジルイソチオシアネート(BITC)と生体分子の相互作用を検討した。その結果、BITCとエタノールアミンとの付加体が認められた。これは、生体膜の構成脂質であるフォスファチジルエタノールアミンとBITCが反応し、速やかにホスホリパーゼにより切断されたと考えられた。また、BITCのいくつかのタンパク質への修飾が確認できた。その一つのタンパク質の活性を確認したところ、BITCによる修飾と相関が認められ、BITCの直接的な相互作用がそのタンパク質の機能を制御している可能性が示唆された。
食品機能学
本研究では食品成分のひとつであるBITCと生体分子の相互作用を示した。食品成分は生体分子と相互作用することにより効果を発揮すると考えられるが、どの生体分子と相互作用して効果を示しているのか未だ十分に明らかではない。そのため、食品機能獲得の個人差や、生活習慣や疾病の有無などによる悪影響への懸念は推測の域を出ない。本研究成果は、このような個人差や悪影響のない個々人に適した食品の選択が可能になり、食品機能の安心安全な獲得に寄与することが期待できる。