研究課題/領域番号 |
17H04772
|
研究種目 |
若手研究(A)
|
配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
芸術一般
|
研究機関 | 九州大学 |
研究代表者 |
城 一裕 九州大学, 芸術工学研究院, 准教授 (80558122)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | メディア芸術 / パーソナル・ファブリケーション / 聴覚文化論 / バイオアート / メディア考古学 |
研究成果の概要 |
本研究では、機械・電磁気・生物という3つの領域において、最終的な音の生成にデジタル音響技術が携わることなく、物理的な手段を用い音を生み出す構造の構築を目指してきた。初年度には、研究予算の観点から当初の研究計画を一部変更し、予定に先んじて電磁気および生物に関わる実験を行なった。次年度には、計画変更後の成果として、印刷物の濃淡からの磁界変動の検出及び、イカの色素胞を用いた音声信号の可視化手法の提案を行なった。3年目には、磁器を素材に数千年は保存できることが歴史によって担保されている音の記述を実現した。COVID-19の影響下にあった最終年度にはこれまでの研究成果の学術的な取りまとめを図った。
|
自由記述の分野 |
メディア・アート
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究では、従来のコンピュータ内での音響信号処理に基づく音の生成ではなく、それ自体が物理的に音を生成する構造した。その上で、それら構造をこれまでの音響技術に対するメディア考古学的な調査とパーソナルファブリケーションに代表される現代の技術・社会環境を踏まえ、メディアのあり得る可能性として具現化した。研究の成果としての各々の構造は、既存の楽器・装置との比較を通じてその特徴を検証するとともに、展示・演奏の場における活用を通じ有効性を確認し、音楽が必ずしも音そのものを意味しない今、音を鳴らすということの意味を改めて問い直すこととなった。
|