研究課題/領域番号 |
17H04775
|
研究機関 | 南山大学 |
研究代表者 |
吉田 早悠里 南山大学, 国際教養学部, 准教授 (20726773)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2021-03-31
|
キーワード | アーカイヴズ / デジタルデータ / 史料 / F.J.ビーバー / エチオピア |
研究実績の概要 |
2年目にあたる2018年度は、2018年6月16日~6月23日、10月6日~10月13日、11月14日~11月21日、2019年2月16日~2月25日の4回にわたって、オーストリアで現地調査を実施した。 オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーの資料35点のうち、全てのデジタル化を完了した。また、F.J.ビーバーが1904年、1905年にエチオピアを訪問した際に記述した日記の翻刻を実施、完了した。これにより、F.J.ビーバーの1904年、1905年、1909年の3度のエチオピア訪問の全日記の翻刻を完了することができた。今後は、それらの読解、分析に取り組んでいく。 前年度に引き続き、本研究課題の研究協力者でF.J.ビーバーの孫にあたるK.ビーバー氏の協力のもと、同氏の個人蔵資料の整理を行った。K.ビーバー個人蔵資料のうち、既にデジタル化とメタデータの作成が完了した資料について、デジタル画像とメタデータを含むデジタルデータをインターネット上で国際的に公開・共有し、諸外国の研究者が学術研究に利用できるようにするために、オーストリア科学アカデミー・デジタル人文学センターの研究者および国立図書館の担当者と研究プロジェクトを立ち上げた。2019年2月には、K.ビーバー個人蔵資料のうち、絵葉書資料のデジタル画像とメタデータをデジタル人文学センターに引き渡し、インターネット上での公開に向けたデータ準備を開始した。 研究成果については、国内外の学会や講演会で発表を行った。2018年10月にエチオピアのメケレ大学で開催された第20回国際エチオピア学会では、エチオピア研究におけるアーカイヴズに関するパネルを主催し、アーカイヴズの学際的かつ国際的な活用の方法について議論した。
|
現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーのエチオピア訪問時の日記の翻刻を完了することができた。この成果については、2019年度に出版を予定している。 また、オーストリア科学アカデミー・デジタル人文学センターとの研究協力のもとで、本研究の成果であるデジタル画像とメタデータのインターネット上での公開・共有にむけて、着実にデータ準備を進めることができた。以上から、全体として順調に進展している。
|
今後の研究の推進方策 |
3年目以降は、オーストリア国立図書館が所蔵するF.J.ビーバーの文書資料の翻刻を継続するとともに、それらの出版にも取り組む。また、K.ビーバーによる個人蔵資料の整理を進める予定である。
|