研究課題/領域番号 |
17H04781
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研究機関 | 学習院大学 |
研究代表者 |
高橋 遼 学習院大学, 経済学部, 准教授 (40748349)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | SNS / 影響評価 / アフリカ / 実験 / 情報格差 |
研究実績の概要 |
近年、開発途上国において、携帯電話やSocial Networking Service (SNS)といったデジタル技術が急速に広がりつつある。開発の分野では、農業生産者とトレーダーの間における情報格差の問題への対応策として、デジタル技術への注目が高まる一方、その効果は限定的である。また、SNSは途上国において新たな情報共有媒体として定着しつつあるが、開発の文脈においてSNSを活用した実証研究は認められない。本研究の目的は、SNSを用いて農畜産物の市場価格を提供した際、情報格差の是正や所得向上効果が確認されるのか、社会実験を行うことで明らかにすることである。その際、デジタル技術の恩恵が限定的な要因として、デジタル技術に精通した農家世帯における若年層が活用されていないという仮説を立て、実験を通して仮説の検証を行う。 平成29年度は、研究対象地であるエチオピアにおいて事前調査を行い、現地におけるベースライン情報の収集を行った。現地調査を行った際、エチオピアにおいて国家非常事態宣言が発令されるなどの不測の事態も生じたが、データ収集自体は進められ、概ね予定通り調査を遂行することができた。調査後は、集められたデータをデータクリーニングし、現地のおける実験前の社会経済的状況に関する基礎統計を算出した。調査の結果、やはり多くの農家世帯が携帯電話やスマートフォンを利用していることが明らかになった。その一方、特に年配の農家世帯において、SNSの利用は限定的であった。これらは研究者が当初想定していた通りである。 これらのデータをもとに、平成30年度において、実験の実施を行う。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
計画通り、研究対象地域のエチオピアにおいて、実験前の政治経済的状況を把握するためのベースライン調査を行った。
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今後の研究の推進方策 |
ベースライン調査の結果をもとに、社会実験を行う。 具体的には、対象地域に住む農家世帯をランダムにグループ分けし、対象群に割り当てられた農家世帯に対して、SNSを介して農産物の価格情報を提供する予定である。
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