研究課題
若手研究(A)
J-PARCで実施する計画のミューオン電子転換過程探索実験(COMET)には世界最大級大強度パルスミューオンビームの実現および最適化が必須である。最適化には専用のビーム診断装置が不可欠であり、その準備を進めているが、これまでにない大強度ビームであるが故、取得ビームレート最適化のためのジオメトリ構築、検出器の放射線耐性の確保、粒子識別手法の確立が課題となっていた。本研究により、放射線耐性については概ね解決し、他についてもシミュレーションスタディによる最適化方針はほぼ固まった。
素粒子実験
本研究の究極目的は未だ発見されていない荷電レプトンにおけるフレーバー混合過程の探索である。この過程は稀崩壊過程であるため大強度ビームが欠かせず、本研究によるビームの最適化のための問題解決は非常に重要であり、本研究の成果を基に本実験の探索が可能となる。また、本研究における放射線耐性の研究は、他の加速器実験にも役立つものであり、さらには宇宙や原子炉等高放射線環境への応用も考えられる。