研究課題/領域番号 |
17H04858
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研究種目 |
若手研究(A)
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配分区分 | 補助金 |
研究分野 |
地質学
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研究機関 | 東京大学 |
研究代表者 |
澤木 佑介 東京大学, 大学院総合文化研究科, 助教 (00635063)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 前期原生代 / 掘削試料 / 銅同位体比 / 亜鉛同位体比 / 真核生物 |
研究成果の概要 |
海水中の遷移金属元素の濃度は生物生産を制限する重要な要素である。原生代前期に起きたとされる大酸化事変時の表層環境変動を明らかにする事を目的とし、当該時代の地層が良好に保存されているガボン共和国において前期原生代地層から掘削試料を採取した。その岩石を用いて分析を行った結果、(1)真核生物化石の出現は22億年前まで遡る事、(2)局所的には酸化的な環境が存在していた事、(3)真核生物は原核生物に比べて多量の亜鉛を必要とする。海水中の亜鉛濃度は前期原生代に増加していた事、等が新たに明らかになった。
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自由記述の分野 |
地球史
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
本研究の結果により、まずは真核生物の出現時期が従来考えられていたよりも1億年古く、22億年前まで遡る事が新たに明らかになった。また、前期原生代に大気海洋が酸化的になった事により、海洋中の亜鉛が溶存態として存在できるようになったはずである。本研究による分析結果は海水亜鉛濃度が増加した事を示している。前期原生代の地層から真核生物化石が見つかるようになるのは、海水亜鉛が上昇し、亜鉛を多量に必要とする真核生物の個体数が増加したからであると考える事ができる。
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