研究実績の概要 |
放電時間間隔・パルス幅可変長電源の作製し、連続パルスコロナ放電を任意の時間間隔で発生させ、この際に生成されるN原子をTALIF計測システムにより観測することで、振動エネルギーがラジカル生成に与える影響を調査した。まず放電時間間隔(Δt)がパルス放電へ与える影響を調査するため、Δtを変化させ連続パルス放電をICCDカメラを用い観察した。この結果、2ndパルス放電では1stパルス放電よりもストリーマー径が小さく、ブランチの数も少ないことが分かった。また2ndパルスの放電エネルギーはΔtが小さいほど低い値となった。これらの要因に放電後の振動エネルギーが大きく関わっていることが予測されるが、詳細については現在調査中である。レーザー計測によりN原子の挙動を観測した結果、Δtが小さいほど2ndパルス放電におけるN原子生成エネルギー効率が高く、最大で1stパルス放電の3倍ほどの値となった。また振動温度が平衡状態へ緩和する際の減衰傾向は、今回観測されたΔt変化時における2ndパルス放電N原子生成エネルギー効率の減衰傾向とよく一致した。さらに1st, 2ndパルス放電のN原子局所密度は同程度であり、2ndパルス放電におけるN原子生成領域が1stパルス放電のN原子生成領域と異なることが分かった。これらの結果から、2ndパルス放電では1stパルス放電で生成された振動励起窒素分子の利用しN原子が生成されていることが推測される。
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