研究課題/領域番号 |
17H06268
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研究機関 | 高知工科大学 |
研究代表者 |
中原 潔 高知工科大学, 情報学群, 教授 (50372363)
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研究分担者 |
川嵜 圭祐 新潟大学, 医歯学系, 准教授 (60511178)
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研究期間 (年度) |
2017-06-30 – 2020-03-31
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キーワード | 視覚意識 / 再構成 / デコーディング |
研究実績の概要 |
昨年度は高密度皮質脳波(ECoG)電極を設計し、サル2頭に対して電極埋め込み手術を実施した。しかし2頭とも術後予後不良により失敗に終わった。 今年度、ECoG電極の侵襲性をより低くするための電極デザインの再設計、および埋め込み手術の術式の再検討を行い、再度電極埋め込み術を試みた。また硬膜下への電極設置を断念し、硬膜外への電極設置に改めた。 マカクザル1頭の一次視覚野の硬膜上に、256チャネルのECoG電極を設置した。サルに固視課題を訓練したあと、各電極が視野のどの位置に対応するかを推測するために網膜視野マッピングを行った。続いて画像データベースより、150のカテゴリー、計1200枚の画像を選び、サルに視覚提示しつつ、ECoG記録を行った。さらに追加で981カテゴリー、計9810枚の画像を選び、同様にECoG記録を行った。得られたECoGデータを共同研究者に送り、深層ニューラルネットに脳活動パターンを学習させ、再構成器を構築中である。現在、サルにテスト図形を視覚提示しつつECoG記録を進めている。最終的に、ECoGデータからテスト図形の再構成を試み、その成績を評価する。またテスト図形にはカニッツァの三角形などのillusory contourを生じさせる錯視図形を含める。再構成器によってillusory contourが再構成されるかどうかは興味深い問題である。 さらに、マーモセットにおいて多点ECoG電極による全脳電気刺激を行う新たな実験を考案したので、その準備を進めている。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
3: やや遅れている
理由
これまでにサル2頭の硬膜下へ電極設置術を行ったが、予想以上に難度が高く、いずれも失敗に終わった。そこで3頭目のサルにおいては硬膜下への電極設置を断念し、硬膜外設置とした。以上の理由により遅れが生じている。
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今後の研究の推進方策 |
画像再構成のデコーダーを構築した後、テスト画像をサルに見せた際のECoGデータから画像を再構成させ、そのパフォーマンスを評価する。
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