研究課題
これまで文献を参考に当教室で行ってきたC57BL6マウスを用いたヒト前立腺癌細胞株の皮下移植モデルは、正所性モデルでないこと、免疫不全状態であること、脂肪以外の食事の影響が強く出ることなどの問題点を有することが明らかであった。よって、脂肪組織とmicroRNAの関連を評価するにあたりより最適な動物モデル検討に立ち戻り研究を進めた。その結果、免疫応答性マウスモデルにおいて、同カロリーの食餌においても、高動物性脂肪食は魚油食に比較し、前立腺癌の発症進展を促進する可能性を見出すことができた。2つの免疫応答性、脂肪種類のみを変化させた前立腺癌マウスモデルにおいて前立腺癌増殖が確認された。さらに、臨床検体、細胞株において、質の高いエクソソーム抽出条件を検討し、超遠心法で脂肪組織および癌組織からエクソソームを安定的に抽出する方法を確立した。今回の検討では上記研究で得られた組織を用いて、脂肪組織からのエクソソームおよびそれに内包されるmiRNAsのプロファイルや直接的な癌増殖への作用を検討するに至らなかったが、より質および再現性の高い実験手法を確立し、各種検体や組織細胞からのエクソソームおよびmiRNAsを検討する方法がこの期間に整い、今後の研究に使用される組織、血清の蓄積が十分できた。さらに本研究結果の一部は論文および国際学会で報告を行った。今後はエクソソームおよびmiRNAsの直接的な解析に主眼をおき、検討を継続したいと考えている。
平成30年度が最終年度であるため、記入しない。
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すべて 雑誌論文 (2件) (うち査読あり 2件、 オープンアクセス 2件) 学会発表 (3件) (うち国際学会 2件)
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