本研究ではシェイクスピアが座付き作者を務めた宮内大臣一座(1603年からは国王一座)が上演した戯曲を、少年俳優の思春期の身体やジェンダーの曖昧性、少年俳優と大人俳優たちとの関係に注目して再読した。シェイクスピア劇の女性キャラクターがすべて少年俳優によって演じられたことはよく知られているが、少年俳優は具体的にどのような身体的特徴を持ち、社会の中でどう位置づけられていたのか。こうした問いを出発点に戯曲の精読と歴史研究を組み合わせ、当時の舞台における女性表象を三次元的に想像することを目指した。二年間の研究期間において、学会発表2本と学術論文3本(査読付は2本)、学会発表要旨1本を発表した。
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