研究課題
研究活動スタート支援
骨髄異形成症候群(MDS)における細胞老化の変化を調べるべく、MDSモデルマウスを用いて細胞老化関連遺伝子のmRNAレベルあるいはそれらのコードするタンパクレベルの上昇を確認した。また細胞老化が白血病発症促進に関わる機序の一つとして細胞老化関連の炎症サイトカイン分泌が関与している可能性を指摘した。細胞老化の主要な制御因子であるp16をノックアウトしたマウスと上記のMDSモデルマウスを掛け合わせることで、MDSの表現型がキャンセルされることも確認した。
血液腫瘍内科学
骨髄異型性症候群(MDS)は高齢者の高頻度に認められる予後不良の造血器腫瘍であるのみならず、急性骨髄性白血病への高頻度の進展も知られているが、MDSに対する現行の治療には根治的治療は含まれず、根本的な解決を得たとは言い難い。MDSの病態を捉え、それに適した治療法を開発することは喫緊の課題と言って良く、本研究はその治療標的の一端として細胞老化に可能性があることを見出した。これを標的とした治療がMDSに如何なる影響を及ぼすかについては、引き続き研究が必要とされる。