「疼痛」は身体への侵襲や損傷を知らせる重要な感覚である.しかし損傷が修復しても遷延する「神経障害性疼痛」がある.そのメカニズムは神経損傷に伴う神経節内や脊髄内のミクログリアの炎症変性であることが知られている.研究代表者は神経障害性モデルマウスに抗炎症性M2ミクログリア誘導因子を投与することで、組織破壊的な炎症反応を抗炎症・組織再生型に転換し疼痛制御を促進することを見出した。また誘導されたM2ミクログリアの放出する細胞小胞体(エクソソーム)が周囲のSchwann細胞に取り込まれ炎症状態の制御や細胞死の抑制を行うことで疼痛制御を行っていた。
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