膀胱癌に対する膀胱全摘除術では腸管を利用した尿路変向術が標準術式である。しかし、次世代の治療としてなるべく他臓器を犠牲にしない再生医療の応用が待ち望まれている。そこで、我々は、1)免疫学的に寛容で無細胞化をする必要がなく、抗瘢痕効果のある羊膜上に、柔軟性に富む口腔粘膜上皮細胞を播種しシート状にしたものと2)生分解性の足場材料に、胃平滑筋細胞を播種しシート状にしたものを重ね合わせ、腹腔内大網でロール状にして熟成させることで、拡大膀胱としての利用可能性について検討を行った。6カ月後の膀胱造影や容量測定、内圧測定、筋収縮力測定にて、膀胱容量と機能の改善が認められ、新膀胱としての利用可能性を示唆した。
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