ホウ素中性子捕捉療法に主に用いられるホウ素薬剤4-Borono-L-phenylalanine (L-BPA)の腫瘍組織内での分布を検討した。マウス由来腫瘍細胞T3M4をマウス皮下へ投与し腫瘍組織を形成させ、L-BPAの投与を行い、腫瘍組織を取り出して解析した。その結果、(1) アミノ酸トランスポーターLAT1の腫瘍内での発現パターンは一様で、壊死領域・血管構造などとの明らかな相関は認められなかった。 (2)血管構造が少ない腫瘍組織領域においても比較的多くのL-BPAが分布していることがわかった。 (3) 腫瘍間質内のL-BPAの集積の程度は血管内のL-BPAの集積と同程度であった。
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