本研究は、先行研究にて歯髄創傷治癒に関与するタンパクとして同定されたS100A7の歯髄創傷治癒過程における生物学的機能の解明を念頭に、傷害後の歯髄におけるS100A7および関連タンパクの時間空間的局在パターンをを詳細に検討することで、生物学的覆髄剤の開発につなげることを目的としている。本研究成果より傷害に反応して内因性に放出されるS100A7が歯髄創傷治癒の一端を担っていることが示唆された。過去の報告では歯髄幹細胞をRAGEリガンドで刺激することで石灰化を促進したという報告もあり、生物学的な覆髄剤に応用できるタンパクである可能性がある。
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