膠芽腫に含まれる幹細胞は、がん精巣抗原遺伝子を高発現している。がん精巣抗原遺伝子を標的とした治療法を開発するために、膠芽腫組織から腫瘍幹細胞を含むスフェロイド培養細胞株を樹立し、IDH変異や1p19q欠失等の遺伝型を決定した。膠芽腫組織や幹細胞における発現頻度が高い、または、発現量が膠芽腫患者の予後に相関する67のがん精巣抗原遺伝子に関してsiRNAを用いて発現抑制することで増殖を抑制する遺伝子を探索した。そのうち15のがん精巣抗原遺伝子のノックダウンにより細胞増殖を阻害することが観察された。これらの結果から、がん精巣抗原遺伝子の一部は、膠芽腫細胞の増殖を制御していることが示唆された。
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