本研究においては、特にLHCの高輝度化計画に向けた検出器のアップグレードに注力した。高輝度化に伴い、粒子密度や放射線によるダメージが増加するため、最内層のシリコン飛跡検出器は総入れ替えが必要となる。その検出器モジュールの量産のため、部材の耐久性や基礎的な設計から、その製造手法について研究を行った。センサーと基板の接着やワイヤボンド、その封止など基礎的な技術開発を終え、研究室での組み立てを可能にした。現時点で、グループ全体でのスタンダードとなる手法を開発し、試験的なモジュール量産を行う段階にこぎつけた。今後はプリプロダクションに向けて、簡便性などに着目して更に洗練し、実機の生産につなげていく。
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