本研究では、アクリルアミドによる神経毒性発現メカニズムの解明と、ビタミンB1による神経毒性に対する治療法の探索を試みた。プロテオーム解析で同定したタンパク質のうち、ウエスタンブロット法にて確認された5種類のタンパク質の発現をPC12細胞にて確認した。PC12細胞は神経伸長因子により伸長させ、アクリルアミドは0mMから10mMまでの濃度を検討した。その結果、動物実験とは異なり、5種類のタンパク質に有意な変化はなかった。一方、細胞内ATP濃度を測定したところ曝露30分後においてATP量の減少がみられた。ビタミンB1による同時投与を試みたが、ATP量の回復は見られなかった。
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