学術的意義としては、これまで不明だった現象(条件表現形式の由来や、形容詞・動詞を構成する後部要素の地理的分布、敬語と卑罵語の対応関係と地理的分布など)を具体的に解明することができた。本研究で収集・整理された近代の地方教育資料目録は、これまでの方言研究で扱われてきた研究資料の範囲を拡張することになり、伝統的方言の衰退・消滅に伴って話者への面接調査が難しくなる将来の方言研究において、資産的意義を持つことになる。また、明治・大正・昭和初期の日本における方言や方言研究の位置づけを把握する資料として、新たな資料を得ることになる。
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