本研究では、過眠症のひとつであるナルコレプシーと特発性過眠症に焦点を当て、日中の過剰な眠気(EDS)に関する非機能的認知の存在を明らかにして尺度を開発するとともに、その信念が精神健康に関連するか否かを検討した。11人ナルコレプシー患者と特発性過眠症患者に対するインタビューデータと166名の患者を対象とした横断調査を行った結果、「居眠りへの拒絶感」「居眠りへの周囲の反応の懸念」「居眠りに伴う敗北感」の3因子から構成される「過眠症状に伴う非機能的信念」尺度が開発され、十分な妥当性・信頼性が示された。また、抑うつや対人不安、眠気が、それぞれ当該信念と関連することが示唆された。
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