理論研究の成果として次の2つを得た.1つはBayes予測問題に関するものである.推定問題では確率分布の関数形を既知として未知パラメータを推定するのに対し,予測問題では確率分布の関数形も含めて推定する.これをBayes統計学の枠組みで行うのがBayes予測問題である.予測の良さをα-ダイバージェンスと呼ばれる量で測るとき,典型的な予測分布の改善に取り組んだ. もう1つは,Jeffreysの事前分布の特徴づけである.Bayes統計学では未知パラメータに関する情報を事前分布の形で組み込む.パラメータに関する情報を持たないときに仮定される代表的なものがJeffreysの事前分布である.
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