リアルタイムプロセスのデッドラインを保障するための必要な最小メモリ量を動的に予測してメモリを割り当て、それ以外のメモリを非リアルタイムプロセスに割り当てることによって、リアルタイムプロセスのデッドラインを守るとともに非リアルタイムプロセスの終了時間を短縮することを目的とし、1.「メモリ量算出プログラム」、2.「動的QoS(Quality of Service)メモリ管理モジュール」を搭載したリアルタイムOSを開発する。 2019年度は計画とおり、2017年度に開発した1.「メモリ量算出プログラム」と2018年度に開発した2.「動的QoS(Quality of Service)メモリ管理モジュール」を、(1)アンドロイドを搭載したプラットフォームボードの上に移植し、(2)実装と性能評価を行うことにしてリアルタイムOSの開発を完了した。具体的には、(1)については、アンドロイドに開発したメモリ管理モジュールの入れ替えを行った。(2)については、リアルタイムプロセスのデッドラインミス率と非リアルタイムプロセスの実行完了度、各プロセスのメモリ使用率等を調査し、開発するメモリ管理モジュールの性能評価を行った。性能評価の結果、QoSに基づいてリアルタイムプロセスのデッドラインミスも許容範囲内であり、非リアルタイムプロセスの実行完了度も高いことが確認でき、リアルタイムOSの開発を完了した。 そして、研究完成年度として、3年間の研究成果をまとめ、国内の研究会や国際会議で発表するとともに、論文誌などへの投稿を行った。
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