本研究では,国内外で大きな問題になっていたオーバーツーリズム問題に注目し,情報技術を用いてその解消に取り組んだ.観光行動は,事前に入手した観光地の静的な情報をもとに設定された旅行計画におおむね従いつつ,観光地の実時間状況に応じてダイナミックに変化する行動である.情報の適切な提示によって旅行者の行動を変容させ,混雑を緩和させることで旅行者と地域住民の満足度を共に向上させることを目指した.具体的には,実時間情報に基づいた旅行者行動モデルの構築と,目的地を事前に入力させることなく逸脱行動を検知する手法の開発を行なった.また,地域観光情報基盤のデザインも行い,地域や研究コミュニティでの議論を深めた.
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