日本独自の景観を構成してきた曲線セグメントとして、主に桟瓦を研究対象とした。具体的には、大阪府内の住宅で実際に使用されていた手づくりの桟瓦を計測し、上下2本の出隅をキーラインとして抽出した。これらに主成分分析による平面あてはめと座標変換を施し、平面図形に変換した。その後、等辺開多角形近似による等間隔の点列への置換と、大局的な変曲点の推定を行った。各キーラインを変曲点で分割した上で、可積分離散化されたEularの弾性曲線による定式化の検討も行った。桟瓦以外の曲線セグメントとしては竹編みと丸子船にも着目した。竹編みにより生成した曲面や、丸子船の写真測量結果に基づく、新たな建築設計の可能性を探った。
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