研究課題/領域番号 |
17K00952
|
研究種目 |
基盤研究(C)
|
配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
食生活学
|
研究機関 | 福島大学 (2019) 徳島大学 (2017-2018) |
研究代表者 |
升本 早枝子 福島大学, 食農学類, 准教授 (30596052)
|
研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
|
キーワード | 腸内細菌 / 認知機能 / プロシアニジン / フラボノイド / 老化 / SAMP8 / バリア機能 |
研究成果の概要 |
肥満や糖尿病は認知症発症の主要な要因である。また、認知症患者と健常者では腸内細菌叢が異なり、腸内細菌叢が認知機能に影響を及ぼすことが示唆されている。一方、フラボノイドが肥満や糖尿病を軽減し、酸化ストレスを軽減し認知機能低下を抑制することが報告されているが、腸内細菌叢を介した認知機能に対するフラボノイドの影響に関する報告は殆どない。本研究は、老化促進モデルマウスの腸内細菌叢および認知機能に及ぼすリンゴ由来プロシアニジン(APC)の影響を検討した。その結果、APCは腸と脳のバリア機能を改善し、老化促進マウスの腸内細菌叢を変動させることにより、認知機能低下を抑制する可能性が示された。
|
自由記述の分野 |
食品機能学
|
研究成果の学術的意義や社会的意義 |
腸管は多くの神経系・内分泌系組織を有する、生物における最大の免疫組織であり、『第二の脳』とも呼ばれ、情報伝達物質と受容体を介して、脳、肝臓、膵臓、脂肪組織など様々な器官とネットワークを形成している。これには宿主の腸内細菌叢が密接に関与し、食習慣および加齢により大きく変動する。本研究は、代表的な機能性成分であるポリフェノールが腸内細菌叢の変動を介して認知機能低下を抑制する可能性を示した。高齢化社会が進む現在、認知症罹患者の増加は深刻であり、その予防は重要である。本研究の結果は、ポリフェノールの腸内細菌叢を介した新しい作用機序の発見であり、次世代の食品機能性研究へ発展する可能性があり意義は大きい。
|