研究課題/領域番号 |
17K01364
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 基金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
生体医工学・生体材料学
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研究機関 | 首都大学東京 |
研究代表者 |
矢澤 徹 首都大学東京, 理学研究科, 客員研究員 (30106603)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | 不整脈 / alternans / 無脊椎動物モデル / 数理モデル / 心臓 / 死の予兆 |
研究成果の概要 |
2周期の心拍は死の予兆の脈と呼ばれ命の危険を知らせている。1872年にドイツのトラウベが記載したが、その成因はいまだに解明されていない。動物モデルで交互脈がいつ発生するかを実験記録し、数理モデルでパラメーターを変化させ交互脈が再現できるか探求した。Naイオンの透過性、Kイオンの細胞外濃度(血中濃度)、およびCaイオンの可用性が原因で交互脈が発生することを突き止めた。2周期の回避のためには、Naチャンネルの性能に影響する遺伝子制御に関する特質、および、KやCaの可用性に影響する心臓の置かれたイオン環境を整えることの重要性が浮き彫りになった。
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自由記述の分野 |
動物生理学
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研究成果の学術的意義や社会的意義 |
突然死は、院外において発生した場合に特に問題である。少なくとも心臓に既往症があり生還した者には深刻で再発は防止したい。防止に重要なポイントは、突然発生してもおかしくない「状況」の早めの察知である。この状況の本質が本研究で明らかになった。心筋細胞において、何らかの事情でNaイオンチャンネルをNaイオンが通過しにくいこと、何らかの事情でKイオンの血中濃度が上昇してしまったこと、そしてCaイオンの可用性(利用[使用]できる度合い)が減少したこと、少なくとも以上の3点である。既往症がない場合でも同じ理由で発生するので、常時監視技術の進歩により心臓突然死の災難は減じられるだろう。
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