網膜に関連する細胞モデルは,従来は,どのような仕組みで視覚が実現されているかという科学的な観点からの研究が主であったのに対し,本研究では,網膜に起因する眼疾患の病態,病因,遺伝的変異の解析を目的とする細胞モデルの構築を行った.この結果,網膜におけるエネルギー不足に起因する疾患の評価に必要となる,網膜のエネルギー消費を計算できるモデルを構築することができた.このモデルを用いることで,暗時および光刺激時に網膜で消費されるエネルギーを計算することが可能になり,網膜の保護のために,どのような照明条件が適切かといった臨床に関わる問題を解析することができるようになった.
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