骨の90%は,リン酸カルシウムとI型コラーゲンでできている.コラーゲンは架橋することで物理的強度を高めていることから,その抽出回収は容易ではなかった.本課題では,骨組織から独自の方法で骨コラーゲンを回収する方法を確立し,その機能を骨関連細胞で検証することを目的とした.その結果,温和な条件で効率的に骨由来I型コラーゲンを再現性良く精製することに成功した.LC-MSで骨コラーゲンの水酸基などの翻訳後修飾を同定した.また骨コラーゲンを培養足場として活用した結果,間葉系幹細胞の骨芽細胞への分化誘導が短期間に進むことを確認した.これまでにない骨コラーゲンの再生医療への活用が期待される.
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