研究課題/領域番号 |
17K01578
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研究機関 | 国際医療福祉大学 |
研究代表者 |
河西 理恵 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 准教授 (60458255)
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研究分担者 |
牧原 由紀子 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 講師 (20776041)
吉田 浩滋 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 准教授 (30776042)
乗松 祐佐 国際医療福祉大学, 成田保健医療学部, 教授 (80528654)
白銀 暁 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究室長 (90404764)
高嶋 淳 国立障害者リハビリテーションセンター(研究所), 研究所 福祉機器開発部, 研究員 (90711284)
大村 優慈 国際医療福祉大学, 小田原保健医療学部, 助教 (40709094)
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研究期間 (年度) |
2017-04-01 – 2020-03-31
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キーワード | ロボットリハビリテーション / 歩行支援 / 脳卒中 / 要介護高齢者 / honda歩行アシスト |
研究実績の概要 |
本研究の目的は、脳卒中等により下肢に障害がある要介護高齢者に対象に、Honda歩行アシスト(歩行アシスト)や無動力歩行支援機器 ACSIVE(ACSIVE)等の歩行支援ロボットを用いたリハビリテーションプログラムを考案し、その効果を検証することである。 平成29年4月に研究分担者である吉田氏の協力により、千葉県佐倉市にある介護老人保健施設佐倉ホワイエに被験者の提供及びデータ測定等の協力を依頼した。平成29年4月~11月にかけて脳卒中等の既往のある要介護高齢者20名を対象に、ACSIVE装着前後における歩行の即時効果を10m歩行時間・歩数、TUGをアウトカムとして評価した。その結果、10m歩行時間(ACSIVE無:21.4秒、ACSIVE有:19.8秒)と歩数(ACSIVE無:27.5歩、ACSIVE有:25.4歩)で有意差が認められた。これらの成果を平成29年8月に開催された国際医療福祉大学学会で報告(中間報告)した。また、平成30年6月28日より開催される第55回日本リハビリテーション医学会学術集会で報告する予定である。 歩行アシストについては、平成29年8月末に本田技研工業と3年間のリース契約を結んだ。並行して研究協力施設の開拓を進め、研究分担者である大村氏が臨床協力を行っている国際医療福祉大学熱海病院リハビリテーション科に協力を依頼し、承諾を得た。平成29年11月に1名の患者に歩行アシストを適用し評価を行った。その結果を平成30年1月に開催された第4回歩行リハビリテーション研究会で報告した。また、平成30年3月に地域への情報発信として、神奈川県西地区リハビリテーション連絡協議会主催の第5回リハビリフェスタにて歩行アシストの効果や実演を含む講演を行った。
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現在までの達成度 (区分) |
現在までの達成度 (区分)
2: おおむね順調に進展している
理由
ACSIVEの研究については、当初予定していた被験者数を確保でき、データ収集、分析等もおおむね順調に進めることができた。一方、当初計画していた角速度計による評価は途中で中止となった。主な理由は、平成29年3月末に代表者が小田原キャンパスへ異動となり、研究協力施設である佐倉ホワイエに随時訪問することが困難になったためである。そのため、現場スタッフだけで測定可能なアウトカムに絞り評価を行った。さらに、新たに代表者の所属先に近い国際医療福祉大学熱海病院への研究協力を取り付けるのにやや時間を要した。そのため、歩行アシストについては、平成29年度は1名のデータ収集にとどまった。しかし、平成29年9月より研究分担者の大村氏の協力により、熱海病院の理学療法士を中心に勉強会を開催し、実際の患者への適用を行った結果、平成30年4月より4名の理学療法士を中心に歩行アシストの研究チームを組むに至った。これにより、今年度より患者データの収集が円滑に進む予定である。
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今後の研究の推進方策 |
歩行アシストについては、国際医療福祉大学熱海病院にて被験者のリクルートや測定を行い、今年度内に回復期の脳卒中患者を中心に20名程のデータ収集・分析を行う予定である。また、佐倉ホワイエには引き続き協力を依頼し、維持期の脳卒中患者を中心にACSIVEの評価を行う。特に、今後は一定期間ACSIVEを使用した患者のQOLや自己効力感の変化について評価を行う予定である。また、今年度より歩行アシストを使った学内実習を理学療法学科の2年生を対象に実施することになった。実習後にアンケート調査を行い、学生や教員のロボットリハビリテーションに対する意識について調査を行う予定である。
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次年度使用額が生じた理由 |
次年度使用額が生じた理由として、当初はhonda歩行アシストのリース契約を平成29年4月より3年間一括で行う予定でいたが、実際に契約を行ったのが平成29年8月と当初の予定より半年遅れとなった。そのため、3年間一括契約(約170万)ではなく、年度毎の分割契約とした方が事務手続き上都合がよいと判断したことが挙げられる。
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