研究実績の概要 |
令和元年度においては、事例とした日本スポーツマスターズぎふ清流大会において、13競技の主管競技団体および開催地自治体の可児市、各務原市、関市、神戸町、山県市、岐阜県スポーツ協会を対象にヒアリング調査を実施し、「共有価値の創造」への取組(令和1年6月)と実際(令和1年11月)についての情報を収集した。実態としては大会の開催運営への対応に追われ、共有価値を創造するという発想を持っていないステイクホルダーが多かった。大会参加者と地域の人々の交流する機会が少ないことや他の競技種目参加者間の交流が少ないことなど、全国的な総合スポーツ大会としての性格が弱いことが背景にあった。日本スポーツマスターズ大会ぎふ清流大会参加者アンケート調査のデータからは、2年前の兵庫大会の参加者よりも、向社会的活動が活発であることが明らかになった。一般成人(SSF, 2018)と比較しても、ぎふ清流大会参加者のボランティア参加率はかなり高く、生涯スポーツ社会にシニアアスリートが貢献している状況がうかがえた。さらに、参加者においては、橋渡し型と結束型の双方のソーシャルキャピタルを有している割合が高い傾向、それらと向社会的活動に有意な関係があることが確認された。
|