進化心理学に基づく「プレッシャーが運動パフォーマンスを向上させる」という進化論的マインドセットが、プレッシャー下での運動選択の意思決定要因ならびに運動制御に及ぼす影響を調べた。投球課題を用いた研究1では、プレッシャー下で成功と失敗によって与えられる得点に対する心理的価値が増幅するが、進化論的マインドセット教示によってその増幅が抑制されることが明らかとなった。急速照準課題を用いた研究2では、プレッシャー下で加速度最大値の減少というフィードフォワード制御の変化と、加速度の調整回数の増加というフィードバック制御の変化が生じることが明らかになったが、マインドセット教示の効果は認められなかった。
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