自発運動は,脳血流を亢進させる。このような運動による脳血流の亢進は,脳の血管拡張作用や血流の亢進が脳の認知機能の低下を抑制すると考えられている。しかしながら,アルツハイマー型認知症を発症しやすい糖尿病患者や高齢者には自発運動が困難な者もおり,有効なカウンターメジャーの確立が急務である。近年,骨格筋電気刺激(Electrical muscle stimulation: EMS)が注目されており、自発運動が困難な糖尿病患者の運動療法に利用されつつある。本研究では,EMSは血管拡張作用を伴う脳血流の亢進を認め,その増加のメカニズムを明らかにした。
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